取扱鋼材
STEEL MATERIALS
機械構造用炭素鋼のなかでも、高炭素鋼にあたる鋼材です。硬度が必要な局面で威力を発揮します。その反面、靭性は低くなりがちです。 炭素含有量は0.52~0.58となっています。炭素の含有量は、0.6%までは増えれば増えるほど硬度が増しますが、それ以上になると硬度はあまり変わらずに、脆さが目につくようになります。したがって、このあたりのバランスを考えた鋼材の選択が重要となります。 S55Cは硬度重視、耐摩耗性重視の場合に効果のある材料と言えます。
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S55Cの「55」は炭素鋼たる所以でもある「炭素」の含有量の代表値を示しています。 S55Cは炭素鋼に分類され、こちらは主に成分による規定が採用されています。具体的には、C(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)、S(硫黄)の含有率の範囲が定められており、S55C材はこうした組成上の規定があります。
C | 0.52~0.58 |
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Si | 0.15~0.35 |
Mn | 0.60~0.90 |
P | 0.030以下 |
S | 0.035以下 |
伸び % | 14以上 |
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絞り % | 40以上 |
シャルピー衝撃値 J/cm2 | 59以上 |
硬さ(HBW) | 229~285 |
S55Cは、切削加工、研削加工ともにし易い鋼種です。 S45Cと比較して、炭素量(C)が多いため、多少硬度が高いかですが、問題なく加工出来るでしょう。 S55Cの特性としては、硬度が高いことです。 高周波焼入れなどの熱処理で表面硬化させ、低温焼戻しを行えば、HRC60前後の硬度となります。