STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介
SNC631
SNC631は、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定されているニッケルクロム鋼の一種です。 焼入性を保証された「JIS G 4052 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)」にも規定されておりますが、その場合”SNC631H”と鋼材名の後ろに”H”がつきます。 強靭鋼であるため、焼入れ・焼戻しを行います。硬度はHBWで248~302です。 比重：7.85。JISの旧名は”SNC2”です。
この鋼材について問い合わせる◼用途
クランクシャフト、ギア など
◼代表成分
SNC415は、炭素量(C)を0.27~0.35、ニッケル(Ni)を2.50~3.00、クロム(Cr)を0.60~1.00を含むニッケルクロム鋼です。
| SNC631 | C | Si | Mn | P | S |
|---|---|---|---|---|---|
| 成分値 | 0.27 ～0.35 | 0.15 ～0.35 | 0.35 ～0.65 | 0.030以下 | 0.030以下 |
| Ni | Cr |
|---|---|
| 2.50 ～3.00 | 0.60 ～1.00 |
◼機械的性質
SNC631の機械的性質は、硬度(HBW)：248~302、降伏点685N/ ㎟、引張強さ685N/㎟、伸び18％以上、絞り50％以上、シャルピー衝撃値118J/㎠です。
また、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」の規定成分値と「JIS G 4052 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)」の規定成分値は若干異なりますが、下記には「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」の規定成分値を記載しています。
| SNC631 | 引張強さ Ｎ/mm2 | 伸び ％ | 絞り % | 衝撃値 （シャルピー） J/cm2 | 硬さ (HBW) |
|---|---|---|---|---|---|
| 機械的性質 | 830以上 | 18以上 | 50以上 | 118以上 | 248~302 |
◼加工性・特性
SNC631の切削性は、S45Cと比較した場合、ニッケルとクロムが含有されている分、粘り強くなり、多少切削性が劣ります。
加工し辛い場合は、切削し易いように焼きなましを行います。
また、熱処理としては、強靭鋼であるため、調質を行う場合が多いです。
