STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介
SNCM220
SNCM220は、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定されているニッケルクロムモリブデン鋼の一種です。 焼入性を保証された「JIS G 4052 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)」にも規定されておりますが、その場合”SNCM220H”と鋼材名の後ろに”H”がつきます。 肌焼鋼であるため、焼入れ・焼戻しの焼戻し後空冷を行います。硬度はHBWで248~341です。 比重：7.85。JISの旧名は”SNCM21”です。
この鋼材について問い合わせる◼用途
歯車、シャフト など
◼代表成分
SNCM220は、炭素量(C)を0.17~0.23、ニッケル(Ni)を0.35~0.75、クロム(Cr)を0.35~0.65、モリブデン(Mo)を0.15~0.30を含むニッケルクロムモリブデン鋼です。
また、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」の規定成分値と「JIS G 4052 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)」の規定成分値は若干異なりますが、下記には「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」の規定成分値を記載しています。
| SNCM220 | C | Si | Mn | P | S |
|---|---|---|---|---|---|
| 成分値 | 0.17 ～0.23 | 0.15 ～0.35 | 0.60‐0.90 | 0.030以下 | 0.030以下 |
| Ni | Cr | Mo |
|---|---|---|
| 0.40 ～0.70 | 0.40 ～0.60 | 0.15 ～0.25 |
◼機械的性質
SNCM220の機械的性質は、硬度(HBW)：248~341、引張強さ830N/㎟、伸び17％以上、絞り40％以上、シャルピー衝撃値59J/㎠です。
| SNCM220 | 引張強さ Ｎ/mm2 | 伸び ％ | 絞り % | 衝撃値 （シャルピー） J/cm2 | 硬さ (HBW) |
|---|---|---|---|---|---|
| 機械的性質 | 830以上 | 17以上 | 40以上 | 59以上 | 248~341 |
◼加工性・特性
SNCM220の切削性は、S45Cと比較した場合、ニッケルとクロム、モリブデンが含有されている分、粘り強くなり、多少切削性が劣ります。
加工し辛い場合は、切削し易いように焼きなましを行います。
また、熱処理としては、肌鋼鋼であるため、浸炭焼入れを行う場合が多いです。
