取扱鋼材
STEEL MATERIALS
SUS329J4Lは、「JIS G 4303 ステンレス鋼棒」に規定されている二相系ステンレスです。 二相系ステンレスとは、その名の通りオーステナイト相とフェライト相の二相で構成されています。 ”オーステナイト・フェライト系ステンレス”と呼ばれることもあります。 オーステナイト系ステンレスとフェライト系ステンレス両方の特性を持ち合わせ、それぞれの弱点を補い合っています。 高耐食、高強度であることが特徴です。 JIS G 4303では、SUS329J1、SUS329J4L、SUS329J4Lの3鋼種が定められています。 二相系ステンレスの中でも、SUS329J4Lは、海水など高濃度塩化物環境において優れた耐孔食性、耐応力腐食割れ性があります。 SUS329J4Lの硬度は、固溶化熱処理状態でHBW:302以下です。比重は7.80。 規格としては、UNS規格でS31260、S31200相当となります。
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SUS329J4Lは、クロム(Cr)を24.00~26.00、ニッケル(Ni)を5.50~7.50、モリブデン(Mo)を2.50~3.50、窒素(N)を0.08~0.30、炭素量(C)を0.030以下を含む二相系ステンレス鋼です。25Cr-6Ni-3Mo-N-低C型ステンレス鋼と表記されることもあります。
C | 0.030以下 |
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Si | 1.00以下 |
Mn | 1.50以下 |
P | 0.040以下 |
S | 0.030以下 |
Ni | 5.50 ~7.50 |
Cr | 24.00 ~26.00 |
N | 0.08 ~0.30 |
Mo | 2.50 ~3.50 |
SUS329J4Lの固溶化熱処理状態での機械的性質は、硬度(HB):302以下、耐力:450N/㎟以上、引張強さ:620N/㎟以上、伸び:18%以上、絞り:40%以上です。
耐力 N/mm2 | 450以上 |
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引張強さ N/mm2 | 620以上 |
伸び % | 18以上 |
絞り % | 40以上 |
硬さ(HBW) | 302以下 |
SUS329J4Lの切削性は、SUS304と比較した場合、ニッケルとクロム、モリブデンが多く含有されている分、切削し辛いです。 難削材に分類され、チップの持ちも半分以下程度です。 SUS329J4Lは、優れた強度と耐食性、特に塩化物環境下での耐食性、すき間腐食性があります。