取扱鋼材
STEEL MATERIALS
SNCM447は、「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定されているニッケルクロムモリブデン鋼の一種です。 強靭鋼で、焼入れ・焼戻し後の硬度は、HBWで302~368です。 SNCM447は、ニッケルクロムモリブデン鋼の中でも強度・硬度ともに優れています。 また、降伏点は930以上ですが、これは機械構造用合金鋼鋼材の中でも最も高い値です。 比重:7.85。JISの旧名は”SNCM9”です。
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SNCM447は、炭素量(C)を0.44~0.50、ニッケル(Ni)を1.60~2.00、クロム(Cr)を0.60~1.00、モリブデン(Mo)を0.15~0.30を含むニッケルクロムモリブデン鋼です。
C | 0.44~0.50 |
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Si | 0.15~0.35 |
Mn | 0.60~0.90 |
P | 0.030以下 |
S | 0.030以下 |
Ni | 1.60~2.00 |
Cr | 0.60~1.00 |
Mo | 0.15~0.30 |
SNCM447の機械的性質は、硬度(HBW):302~368、降伏点:930N/㎟以上、引張強さ:1030N/㎟以上、伸び:14%以上、絞り:40%以上、シャルピー衝撃値:59J/㎠以上です。
引張強さ N/mm2 | 1030N/㎟ |
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伸び % | 14以上 |
絞り % | 40以上 |
シャルピー衝撃値 J/cm2 | 59以上 |
硬さ(HBW) | 302~368 |
SNCM447の切削性は、S45Cと比較した場合、ニッケルとクロム、モリブデンが含有されている分、粘り強くなり、多少切削性が劣ります。 加工し辛い場合は、切削し易いように焼きなましを行います。 また、熱処理としては、強靭鋼であるため、調質を行う場合が多いです。