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STEEL MATERIAL INTRODUCTION 鋼材紹介

S31803

S31803とは、高耐食二相ステンレス鋼です。 S31803はオーステナイト・フェライト二相ステンレス鋼であり、優れた耐食性および強度特性を有します。SUS316L、SUS317Lに比べて、耐局部腐食性に優れており、化学プラント、海水淡水化プラント等に用いられます。

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◼用途
海水ポンプ、海水淡水化プラント、製紙プラント、ケミカルタンカーetc

◼代表成分
S31803の属する高耐食二相系ステンレス鋼とは、通常のステンレスよりもさらに耐食性や耐熱性などを高めた高機能ステンレスを指します。 ステンレスの定義は、国際的にはクロムを10.5%以上、炭素を1.2%以下含む成分を持つ合金鋼となっていますが、この定義を満たした上での高性能を発揮するステンレスがスーパーステンレス鋼となります。S31803はクロム、モリブデン含有量が高いため、高濃度塩素環境において耐孔食性、耐すきま腐食性に非常に優れています。 ニッケル含有量が高いため、耐応力腐食割れ性にも優れています。

S31803 C Si Mn P S
成分値 0.03以下 1以下 2以下 0.02以下 0.02以下
Cr N Mo
21.0-23.0 0.08-0.20 2.5-3.5

◼機械的性質
SUS31803は優れた耐海水性を有し、海水中で使用可能です。 冷間加工によりHv500が得られ、また析出硬化熱処理でさらに硬度アップが可能です。透磁率は80%の冷間加工でもμ≦1.01と低位です。耐熱性はSUS310より良好でSUH660に近い特性を有します。 S31803の規格で定められた引張強度、耐力、硬度などの数値は下表の通りとなります。

S31803 耐力 N/mm2 引張強さ N/mm2 伸び % 硬さ (HBW)
機械的性質 450以上 620以上 25以上 293以下

◼加工性・特性
S31803の熱間強度は、950~1150℃でSUS 430並みです。 900℃以下では急激に強度が上昇するので、注意が必要です。熱間加工後は固溶化熱処理が必要です。冷間加工はSUS 304に比較して耐力が高く、伸びが低い点に注意して下さい。 溶接性溶接は標準オーステナイト系ステンレス鋼と同様、TIG、MIGおよび被覆アーク溶接が可能です。溶接棒はSUS 329J3L用溶接棒を用いますが、予熱や後熱の必要はありません。脆化の原因となるσ相の析出を防止するために、パス間温度が100℃以下になるようにして下さい。 熱処理固溶化熱処理温度は1040~1100℃であり、熱処理後は急冷が必要です。冷却はできるだけ早くして脆化温度範囲(475℃脆性温度範囲、σ脆性温度範囲)にさらされる時間を少なくする必要があります。 酸洗酸洗は、硝酸−弗酸の混酸を使用しますが、SUS 304に比較して耐食性が高い分だけスケールは若干落ちにくいので、酸洗前に短時間のアルカリ浸漬を行うか、またもし可能ならばショットブラストをかけると非常に有効です。

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商品の累計加工情報

これまでに加工依頼された方は56人・累計消化料15.4t

※在庫量は日々変動しておりますので、
直接ご確認下さいませ。

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